サイバーダインの介護用の装着ロボットスーツ「HAL」、Amazonの倉庫物流ロボット(キバシステム)、ハウステンボスのロボットコンシェルジュ、ソフトバンクの感情理解コミュニケーションロボット「ペッパー」、病院内の薬剤搬送ロボット「バクスター」、内視鏡外科手術ロボット「ダヴィンチ」など、ロボットの社会進出が相次いております。
前回のいきべんでは、ロボットの社会進出としてのケーススタディとして、お地蔵型の公衆便所ロボットちゃん(仮称:お浄ちゃん oJo-chan)について語り合いました。
ではお楽しみください。
サマリー
小僧の神様とは?
本屋の丁稚をしていた小僧が、とある紳士にお寿司をおごってもらいます。
というのも、立ち食い寿司に入って食べたものの、お勘定が足りなくて泣いていたところだったからです。
「どうしても、後でお礼がしたい」と小僧はいいます。
この紳士はあまり目立ちたくないのか、嘘の住所を教えて紙をわたします。
それから小僧は次の給料日に、お金を返すつもりでその住所に伺います。
実際にその家がありました。
誰もいませんが、鍵は開いてます。
小僧は緊張のためか尿意を催します。
思わず家の中に入り、便所に入ったところ、そこにお地蔵さんがいました。
ここで、作者の志賀直哉が登場します。
あまりにも小僧が可哀想になったので「筆を措くことにする」で、この小説は終わります。
いきなり筆者という神様が現れて小説が終わるというこの手法に、出版業界は度肝を抜かされました。
公衆便所が荒れると治安も荒れる
ガラス窓が割れている家を放置すると、その周辺の治安が悪くなるという現象があります。
ここの住民は大丈夫だという心理を犯罪者に与えるという見解や、波動が下がるから波動の低い現象を呼び起こすという説明もされ方もあります。
同じように、公衆便所の汚いエリアは治安が悪そうな気分にさせます。
公衆便所がもっとも綺麗だと称賛されているのが、浅草寺です。
匂いはまったくなく、しかもツユを垂らす人もいません。
というのも、立ち小便器の受け皿が、下にせり出して、人の股下を覗き見するように出ているからです。
公衆便所はプライバシーの問題で、防犯カメラを設置できるところが限られています。
だからこそ、悪さをする人はどんどん悪さができるわけですね。
どんなトイレ洗浄ロボットが求められているか
まずは、こぼれた小便対策です。
ルンバのように自動で徘徊して、小便を吸い取って乾かしてくれるといいです。
ただ乾く中で臭うのがアンモニアというやつで、このアンモニアの匂いを消す空気洗浄機も兼ね備えます。
でも、ルンバは危険です。
そこで怪我人が出ては小便どころか血の海となります。
だから、小僧ぐらいの大きさがいいでしょう。
目があうと、「いつも綺麗につくってくれてありがとう」というとチャーミングですよね。
先客万来の衛生要因とは?
すぐれた経営者はトイレをピカピカにすると言われています。
そこで、その会社の品格が現れるからですね。
また、利用者にもメッセージを添えると綺麗に使ってくれることも実証されているようです。
「いつも綺麗にご利用いただきありがとうございます」というような張り紙を貼ってある飲食店の店主はその辺のところをよくわかっています。
集客における衛生要因というものがあります。
トイレが汚いともう二度とそのお店に行きたくないという可能性があるのですが、
トイレがめちゃ綺麗だから、次もこのお店に行きたいとは思わないという要因のことをいいます。
美味しいからまた行きたくなるという「積極要因」ばかりを人は意識するものですが、マイナス要因を削るということが、経営においては重要なポイントだということでもあります。
本来、トイレは神聖な場所
敬虔なクリスチャンは、トイレに聖書を置き、毎日そこで聖書を読みます。
絵画のコレクターは、トイレに所狭しと絵画をたくさん飾ります。
トイレはアート観賞にピッタリだという美術評論家も多いです。
というのも、日常生活の中で、一人になって自分と向き合う時間はトイレぐらいしかないからです。
かつて、武田信玄はトイレ番をするだけの役職をつけました。
そこで暗殺されないように守る役割と、排泄物をチェックする健康管理の役目を果たしています。
そのアイデアは中国のIOTベンチャーが健康管理用アンドロイド便器がトライしているほどです。
かつて、TOTOは、その優れた耐久性の陶器制作技術で、世界の便器を席巻しました。
ロックバンドの「TOTO」が生まれたくらいの認知度です。
人が毎日使うものを扱う企業は世界企業になるチャンスがあります。
まさにトイレはビッグ・ビジネス領域なのです。
便所掃除は3K職種
個人で使うトイレは神聖な場所なのに、公衆便所ともなると随分と波動が下がります。
トイレを掃除する仕事は人から嫌がられています。
そこで、ロボットの登場が期待される分野といえます。
トイレを掃除する人は年がら年中、その場所にいませんが、ロボットは居ることができます。
カメラが無くても他のセンサーを搭載すれば、マーケティング情報はとれます。
何時に混雑するのかだけでなく、化粧直し、居眠り、パンスト履き替え、スマホゲーム、といった利用用途もわかるかもしれません。使われ方がわかれば、女性トイレももっとスムーズに流れる可能性があります。
また、ロボットがいるというだけで、綺麗に使おうという気にもなるかもしれません。
トイレを神聖な空間にするには?
仏像には精霊が降りてきているといいます。
仏像にも魂のようなものがあるわけですよね。
だからロボットにも精霊をおろすことができるという理屈がなりたちます。
浅草寺の住職たちがお地蔵型ロボットに精霊をおろせば、お地蔵ロボットのできあがりです。
頭を撫でると運気があがるロボットが公衆便所に徘徊するようになります。
そんな神聖な精霊体が鎮座しているわけですから、トイレを綺麗に使おうとしてしまうのが人情です。
ビジネスモデルは寄進型とお賽銭型の折衷モデル
有名な神社にはお地蔵さんや、灯籠がたくさんあります。
基本的には人々から寄進されたものです。
彼らは神社と同じ波動をいつでも受けられるようにと、寄進しているわけですね。
かつて、松下幸之助は浅草寺に巨大な赤提灯を寄進しました。
雷門のような総工費のかかるものは、なかなか一般人には寄進できるものではありません。
ところがどうでしょう?
ロボットは数十万円ぐらいの世界です。
しかもトイレを神聖にしてくれるロボットを寄進するなんて、粋じゃないですか。
お地蔵さんや灯籠は一度作ったら、ほおっておけばいいですが、ロボットは維持費がかかります。
電気も食います。
ですから、賽銭箱を設置します。
ここで公衆便所利用者から維持費を徴収します。
海外ではトイレの使用料を取るのは当たり前にやっていますから、外国人にとっては普通にお金を差し出すでしょう。
何せ、神様がそこにいらっしゃるわけで、ご利益があるわけですから。
まとめ
公衆便所の洗浄ロボットは、まず浅草寺から導入スタートしてもらいます。
浅草寺が寄進者を呼びかけ、出資を募ります。
そのあとロボットメーカーから納品後、浅草寺が神をおろします。
公衆便所に設置したあとは、観光客の賽銭から利益を徴収します。
そして浅草の治安はもっと良くなり、参拝客ももっと増えることとなります。