ITの世界にもあった「麻雀放浪記」

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麻雀放浪記といえば、阿佐田哲也の名著。
そのあたりの界隈の人々にとっては、心ブルブル震えるバイブレーション、
いやバイブルといっても過言ではありません。

 

とはいえ、今回は別に麻雀のお話をするわけではありません。
麻雀放浪記といえば、一人カモがいれば、雀卓によび、みんなで悪巧みをして、最後には全財産を没収し、裸にして道に捨てるという物語でした。

 

その昔、このことを知っている者は百名といないと思われますが、いきべんと同じ時代に、「平日夜の悪匠」という会合がありました。

コンセプトは、日頃お世話になっているIT業界で上場している社長を広尾の地下室にお招きし、業界発展のために、有り難いお話を聞こうというものでした。

 

こういう会って、俺も行きたいという輩がたくさん殺到するものですが、完全なる指名制で運営されました。IVSやNILSが始まる何年もの昔の話です。
一回行ったことがある人間が、会の趣旨を言わずに誘うというのが、徹底されたルールです。

 

「●月●日の金曜日の深夜、あいてる?」「じゃあ来てね。」それだけです。

 

「このこと誰にもしゃべっちゃだめだよ。」

 

「しゃべったらどうなるの?」
「打ち首になります。」

 

「で、君はサムライになるから。」

 

ここまでがルールです。
基本スクリプトは共有されておりました。

 

で、主賓の上場社長は「エンペラー」とよばれ、エンペラーを呼ぶ係に任命された人間は、かなーり重い仕事になります。

 

「おまえさ、ロバさん知ってるじゃん。じゃあ捕獲してよ」
とこんな感じです。

 

エンペラーに対し、捕獲という言葉を使うなんて失礼なものです。
女性社員はクノイチと言われ、捕獲係は幕僚とよばれており、幕僚がそこで働いているクノイチに書状(電子メールともいいます)を託すというやり方もとられました。

 

幕僚の口上はさまざまです。
「社長、ちょっとご相談がありまして」
「実は、楽しい宴をセッティングしまして」
「ちょっといえないんですが、男気見せてください」などなどです。

 

ある社長は、社員の相談事かと思いやってきて、ある社長は、香しい深夜の合コンと期待してやってきたり、
ある真面目な社長は、勉強会かとおもってパワーポイントをしこんで来たりと、いろいろ性格がでるものです。

 

エンペラーの来店前に、すでにサムライたちは呑んで場をあったかくしております。
来た瞬間に拍手で迎えます。

「エンペラー、おめでとうございます」「エンペラー、おめでとうございます」
といった感じです。

 

エンペラーの近くにはクノイチを配備し、お酒が組まれます。

 

からくりがわかった後、なんだお前ら、いい奴らじゃないかということになり、いろいろな起業物語を語ってくれます。なかには失敬な質問をする奴もいるわけですが、ここは無礼講、実際そんなわけはないのですが、無礼講な空気で制圧されております。

 

多いときは20名のサムライが地下室でおしくらまんじゅう、酒をガンガンのみます。
だいたい深夜2時をまわってきたところでしょうか、まわりがそわそわします。

 

気づいたら、全てのサムライが正座をしております。

 

そして、「誰かがお前いえよ」と幕僚の指名が入ります。
この瞬間がいちばん緊張する時です。

 

「先輩、今日は素晴らしいお話をありがとうございました。今日を機に心をいれかえ、日々精進したいと思います。ごちそうさまでした。」

 

すると全員のサムライが「ごちそうさまでした」と土下座します。
このようにして、エンペラーのクレジットカードが巻き上げられ、店の支配人に渡されてお勘定となりました。

 

タクシーの手配も手抜かりありません。

「エンペラー、タクシーが参りました。」

もちろんタクシー代はエンペラー持ちです。

 

このような会を5年ぶりに思い出したのは、先週の木曜日。
エニグモ須田さんの勉強会が終わって、「では、次の懇親会にいきましょう。」というときに、須田さんから「今日も俺の奢り?」と聞かれてから、フラッシュバックしました。
「俺は上場してないのにエンペラーにさせられた」と。
その後5年後に上場するわけだから、やはり我々の目は間違っていなかったということになります。

 

この悪匠の会、2006年から2009年の間に毎月行われたそうで、30名くらいのエンペラーが輩出されたそうです。

 

幕僚の首謀者は誰だか、今回の調査ではつきとめられませんでしたが、何人かのクビがふっとんだという噂もあるとか、ないとか、憶測にすぎません。もしかしたら、そんな会すらなく、須田さんとGFの思い違いなのかもしれません。

 

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