エンジニアのリスペクトはお金じゃ買えない。(粋な勉強会講義録)

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ユビキタスエンターテインメントは、モバイル黎明期から粛々と成長を遂げてきた、エンジニア集団である。
「受託は儲からない」とか、「受託をやりつつ、いつかは自社事業をする」とか、
開発会社にまつわる論点は、いつも堂々めぐりするなか、清水さんの答えは明快だ。

「好きなことしかやらない。」につきるというわけだ。

で、好きなことをやると、そのままだと儲からないから、
ビジネスとのマッチポイントを見つける。

こういう経緯でできたのが、公式サイト用のCMSパッケージ「ジーク」である。
その後、フラクタリストやテンダ、シンクウェアなど、こぞって参入したが、
いまは残存者利益というべき大きな果実を一社で独占している。

このジークは、清水さんの「OSを作りたい」という思いから生まれている。

「他社がやっていて儲かりそうだからやる」ではじめると、ついつい値引きで市場を奪おうとしてしまう。
結果的に負け組の発注主をつかまえてしまい、そうやって後発は、果敢に挑んでは散っていた。
一方で、先駆者として実績をつむなか、清水さんの値引きしない姿勢は、
結局、勝ち組としか使わない構図となり、いまも事業を存続させていることになる。

いま流行っているものも、すぐに作れるだろうが、自分の興味がないことはやらない。
それはエンジニア採用につながっている。

すでに儲かっている会社に高給取りでいくようなエンジニアはあわない。
受託ビジネスだと給与も渋めにならざるを得ないが、
それが自分のやりたいことであれば、よろこんでやる。こういう人しかとらないのだ。

「エンジニア集団というのは、秘伝のスープのようなもので、一人でも濁りがあると駄目になってしまう」と。

こんな論理で、儲かるからという理由で、新規事業をやらないわけだ。
そのエンジニアが夢中になれる環境を与えられるかでしかない。

じゃあ何が原動力になるのかといえば「リスペクト」だ。
すぐさま、iBeaconのソリューションを作って展示するのもそういうことだ。
「なめられたくない」ということでもある。

人月単価を下げるのだけはやらない。
ミドルウェアとセットで売る。

こういうことで、好きなことをビジネスにアジェストしているともいえる。
結果、先進的な開発集団ができる。

とはいえ、やはり採用は、会社が有名になったとはいえ、いつまでたっても難しいらしい。
逆にいえば、エンジニアをさっさと入れて急成長しているところは、すごく濁っているスープなんだろうなとも思える。

こんな感じで、開発会社として生き残る方法論について色々と名言をもらいながら、
(「プログラムソースはちんげと同じだ。自分は見せたくないけど見せたところで相手はどうともおもわない」など)
話題はエンチャントムーンにうつっていったわけだが、これも実は一つの線でつながっていた。

そもそも、清水さんはコンピューティングハードウェアを作るのが夢で、
その前にOSを作らなきゃという流れがあり、本来あるべきOSはデータベースであるという発想でジークは生まれている。
ようはいつやるかというタイミングを待っていたわけだった。

そのきっかけは、学生インターンが偶然にも作った「エンチャントJS」のプロトタイプだった。
エンチャントJSは簡単なスクリプトでゲームが作れる、いわばプログラマーの敷居を一気にさげるようなミドルウェアだ。

業界のまわりからは、「もうかる気がしないのをよくやるね」とわざわざ言いにくるようだったと。
逆にいえば、自分と真逆でわからなさすぎて、気になる存在だったのだろう。

グリーやモバゲーは、シリコンバレーのベンチャーを数百億円かけて買ったのに、
むこうでは「日本人はお金持ちなんだよ」と馬鹿にされている。

しかし、エンチャントJSはすでに1万人のエンジニアに支持されている。
まさに、清水さんが欲しかったのは、このリスペクトであり、ハードへの実現を引き寄せたのだ。

「俺らはマイクロソフトであり、Appleではない。マニアックだから支持されるように頑張らなくちゃいけない」という。

かつて、マイクロソフトはダイレクトXを啓蒙するのに開発援助金をだしているほど、
世界でもっともエンジニアに手厚い会社だった。そのあとに出したのが、エックスボックス。
マイクロソフトは自分が嫌われているのをよくしっているから、ハードを出す前に、土地を耕していたのだ。

それと真逆なのがApple。魅力的なハードつくっちゃったけど、やりたきゃやんなよという姿勢。
Appleは自分がモテるのがわかっているから、そういう態度で逆にエンジニアを駆り立てたのだった。

で、どちらが自分たちなのかというのが、先の答えだった。

さらにいえば、プログラマー初心者、こどもなど、最初に世話をやいた者が一番リスペクトされる。
「ポケモンは30年食える」のは、幼少期をおさえたから、という理論だ。
というわけで、前田ブロックとセットで、小学生の前で教える活動もしている。

このような下地があるので、エンチャントJSのファンが1000台は買ってくれるはずだと確信して出したのがエンチャントムーン。
結果、初期ロットの5000台を予約完売。第二弾は店頭販売で、ビッグカメラで11月から売られるようになった。

「なめられたくない」の受託からはじまった、「リスペクトされる」ような活動が、こうして花開いたというわけである。

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