成功するサービスには「インサイド」がある。

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iPhoneもまたインサイドアウトでした。今回は7つの成功したサービスの「あり方」を考察します。 COOKPAD、アットコスメ、バイマ、食べログ、パズドラ、LINE、メルカリ、がどのように世界を変えたのか、筆者なりに考えてみました。

あなたのサービスは主体的を発揮しておりますでしょうか?

 

ITサービスに携わる人たちの中では、合言葉のように「顧客をよく見ろ」という考え方が固く信じ込まれています。
それはそれで正しいと私も信じていますが、顧客をあまりにも見てしまうために、ある種の強迫観念になると失敗を招く危険性もあるのではないかと思うようになりました。

 

お金が絡んでくると、こういう顧客もとりたい、ああいう顧客もとりたいとなり、あれ、「俺はなにをやっているんだ」となります。結果的に顧客が見えなくなるという逆説です。

 

例えば広告のような安易な集客をしても、顧客とのコミュニティの濃度がうすくなり、お仕着せがましくなります。

 
そんな時に大切な視点が、「自分が主体的に動いているか」というものです。
競合がやってるから真似るのではなく、自分たちのサービスの「あり方」として妥当な選択なのかという視点です。

 
もし、自分たちが「本当にやりたいこととは何か違う」ものであれば、プロジェクトチームは闊達になりませんし、訪問してくれるユーザにもブレて伝わります。

 

 

「7つの習慣」はざっくりいうと「自分のあり方」を決めれば自ずと道はひらけるという理論です。

 

事業に失敗したときに、起業家が反省することに、「本当にやりたいことよりも、儲かりそうなことを選んでしまう」ということがあります。ひとたび失敗すると、それを取り返そうともっと儲かりそうなものを見つけようとします。

 

 

これはまさに、「7つの習慣」が提唱している「自分のあり方」と間逆なことをやっているのです。

 

「7つの習慣」のキーワードで、インサイドアウトという言葉があります。

 

自分が主体的になって発信、行動すれば、おのずと欲しかった全てを手に入れることができるという考え方になります。

 
「自分のあり方」をそのサービスに詰め込めば、その人の思うところの「成功」を手に入れることができる。

 
これはサイト運営やマーケティングにもいえることだと思います。

 
iPhoneやクックパッドは独自の哲学や「あり方」を見ることができます。
「見かけをパクるんじゃない、本質をパクれ」というある投資家の言葉がよぎります。
「本質をパクる」というのは、「あの起業家と同じように、自分の主体性をサービスに込めろ」ということなのかもしれません。

 

 

「7つの習慣」が、自分のサービスの「あり方」を考えるきっかけになればと思います。

 

マーケット・インでもなくプロダクト・アウトでもない。

 

スティーブ・ジョブズは、マーケット・インという発想が大嫌いだったそうです。
伝記本によるとジョブズは「俺たちの仕事は、人々がまだそのニーズに気づかないものを発明することだ」とアップルのメンバーに言い聞かせていました。
では、ジョブズはプロダクトアウトなのでしょうか。

 

世間でいわれている「プロダクトアウト」とはちょっと、いや、だいぶ違う印象を持ちます。
iPhoneができるまで相当な労力をかけられていると製品から伝わってきます。
「プロダクトアウト」と批判されている類のサービスは、面白いの「はやってる側だけ」で、お客さんに信念が伝わっていないことが多いです。
いや、信念がないから、伝わるもなにもないのです。
「7つの習慣」で最初に出てくるキーワードは「インサイド・アウト」です。
周りの環境に左右されるのではなく、主体性を発揮すれば、周りも変わってくるという概念になります。
まさに、アップルの製品は「インサイド・アウト」でした。

 

iPhoneが誕生してから、個人クリエイターが思い思いにアプリを作り、今までケータイに見向きもしなかったゲーム会社がiPhone向けにゲームを作りました。

 

ゲーム会社のみならず、様々な産業のプレイヤーがスマホを自社ビジネスに取り入れています。
ところが、サムスンやソニーはどうでしょうか?
iPhoneに似ている製品は出しているものの、ソニーやサムスン向けに何かをしている人や企業はいません。
彼らが向かっているのはandroid(google play)であり、その端末メーカーではないのです。
そういった意味では、Googleには、アップルとは違う「インサイド」がありました。
今回は、「マーケット・イン」でもなく、「プロダクト・アウト」でもない、「インサイド・アウト」なサービスを考察していきます。

 

 

彼らは、サービスのあり方を変えたという共通点をもっています。
私たちが気づかないだけで、意外とインサイドがあったりするのです。

 

 

クックパッド

 

クックパッドは、「レシピはプロの料理人が作るもの」というあり方を変えました。
スタート当初は、レシピをノートにしていた主婦たちがデジタルに保管しようとこぞってアップしたそうです。

 

クックパッド以前では、「きょうの料理」などの気になったレシピを忠実に再現しようというのが料理のあり方でした。
クックパッドの登場後は、冷蔵庫に残っている余り物で検索したり、店先にて特価の食材で検索して、きょうの料理を決めようという新しいスタイルが生まれました。

 

また、レシピの投稿者に対して「私も作ってみたよ」という「つくレポ」を送る仕組みによって、新しいコミュニケーションが成立しました。
旦那や子供のために一生賢明料理を作っても感謝されない主婦の心が、クックパッドユーザによって満たされることになったのです。

 

最近、創業者の佐野さんが、執行役を取締役会によって解任され、また2日後に株主総会で復帰し、穐田社長が退任しました。
前経営陣の「やり方」と佐野さんの考える「クックパッドのあり方」が大きく食い違ったのでしょう。

 

「混乱させたりしないと約束してほしいと言われても、正しいと思ったことはやる」と佐野さんが語ったようです。

 

 

アットコスメ

 

化粧品のレビューサイトもまた、育つのに年月のかかったサービスの1つです。

 

1億円以上の累積赤字を作りながらもやり続けた創業者の吉松さんの覚悟は相当のものだっただろうと推察されます。
「情報の非対称性を無くす」とか「なになにの民主化」という用語は簡単に出せても、やりぬくのは難しいです。
「アットコスメがスタートしたころは競合がいなかったからだろ」という声もあるかもしれません。
しかしながら、最初にサービスを出すということは、ユーザへの啓蒙も大変ですし、ビジネスにのせるための方程式もみえません。

 

彼らがかかげる「生活者中心の市場創造」というビジョンが嘘偽りのないものだからこそ、赤字が長く続いても応援してくれる出資者がいたのでしょう。

 

 

バイマ

 

バイマを運営するエニグモが最初に作ったサービスであり、最後に残ったサービスです。
創業者がクリスマスイブに同僚と思いついたサービスが、「買い物代行」でした。

 

いまでこそ、クラウドソーシングや代行サービスの概念がありますが、2004年当時は斬新すぎるアイデアです。

 

買い物代行といえば、いま中国人の間で日本製品の買い物代行がはやっているようです。
日本のクスリが大変人気なようで、SNSで呼びかけているそうです。
いま、フィンテック分野で、海外では個人送金がホットですが、なるほどなと思う現象です。
話が脱線しましたが、バイマがなければ、買い物代行はSNSでやるしかないですし、知り合いまでしか届きません。
知り合いだとしても、間で監視している人がいないから、金銭トラブルの危険性があります。
バイマは、外国駐在の妻たちにやり甲斐を与えました。
また、国内の人にとっては、個人輸入が簡単になったのです。
なお、エニグモはバイマをスタートさせたあと、プレスブログ、シェアモ、フィルモ、コルシカといった斬新なサービスを出すものの、紆余曲折があり、バイマのみ残し、事業を集中させ、上場にいたります。

 

 

食べログ

 

食べログが出る前は、ぐるなびが当たり前のように利用されました。
ぐるなびは広告商売ですから、本当に美味しい店かどうかはわかりません。
そこでレビューサイトのニーズが出てくるわけですが、色々な企業がサービスを提供するものの、どこもうまくいっていない状況でした。
スタート当時、食べログは、食べ物レビューを書いているブロガーを片っ端から探しだして、食べログに寄稿するように働きかけたようです。

 

ブロガーにもメリットがないと引越しはしません。
おそらくブロガーにしてみたら、自分のレビューをたくさんの人に読まれることと、簡単にレビューや写真をあげることができることがメリットだったのだろうと推察されます。

 

結果、みごとに、飲食店のレビューNo1サイトとなりました。

 

すでにレビューブログでアクセスを稼いでいる人たちをも、引っ越ししたくなるレビューサイトにするという「あり方」がなければ、片っ端から声をかけなかっただろうし、彼らに使ってもらえるような改善もしなかっただろうと思われます。
今まで活躍していた人の気持ちをすっとばして、ゼロからユーザ資産を作ろうというサービスはよく失敗します。
ファーストユーザはどこにいて、彼らにどうやったら喜ばれるのかということが重要だという示唆になります。

 

 

パズドラ

 

パズドラ以前のスマホゲームは、単純だけどすぐに飽きちゃうカジュアルゲームか、ガチャ課金をヘビーにまわす人を前提としたゲームでした。

 

パズドラは、子供も女性もより安全に楽しめるべきという発想で開発されました。
ガチャ課金が「雨」なら、石課金が「太陽」と喩えることもできます。

 

また、メンバーたちは「嫁チェック」というのをやっていたようです。
彼らは、普段ゲームを楽しまないような奥さんたちも楽しめるゲームを作りたかったからでした。
こうして、よりカジュアルながら奥の深いゲームができたというわけです。

 

パズドラの開発期間は、当時の水準にしてはかなり長いものでした。
社長の森下さんのチェックが非常に厳しかったようです。

 

「こんなレベルではリリースできない」という森下さんハードルは開発陣をさんざん泣かせたことと思います。

 

 

LINE

 

長い間、通信キャリアは携帯電話番号が変えられないことで、キャリ変を阻止していました。
そこでナンバーポータビリティサービスが生まれるわけですが、LINEの登場によってもはやどうでもよくなりました。
人々はLINEでメッセしたり、通話したりすれば、ほとんどの生活は大丈夫になり、もはや恋人や友達の電話番号も知らなくてよくなりました。

 

 

携帯電話がかろうじて生きているのは、SMSの認証だけです。
ガラケーの時代にあれだけ大切だったメアドももはや不要です。
LINEのコンセプトは、東日本大震災にあったといいます。
家族や友達、恋人に何かがあったと思ったとき、メッセして「既読」がついていれば、確認できているんだと安心できます。
「既読」は、もっとも早く「生息確認」ができる手段なのです。
そのような概念がベースにありながら、LINEは人々の生活を変えています。
まず絵文字がLINEスタンプにおきかわりました。文字だけではない感情表現が格段にあがっています。

 

LINEスタンプクリエーターも生まれました。
店舗は電話の予約だけでなくLINE@でもお客さんとコミュニケーションできるようになりました。

 

企業はメールマガジンの変わりに公式LINE@でカスタマーリレーションができるようになっています。

 

ガラケー時代には、i-modeが様々なサービスインフラを提供していましたが、今はそれをLINEが担っています。

 

i-modeは、ポータルサイトをベースにしていますが、LINEはプライベートなソーシャルグラフをベースにしています。
これも、生活インフラの「あり方」を変えた好事例といえます。

 

 

メルカリ

 

メルカリは「下取り価格」という概念を、人々にもたらしました。
今までの世の中は、新品を買うのが当たり前で、それが無価値になったら捨てられるという消費サイクルでした。
メルカリによって、中古品流通が当たり前になるような世界観がもたらされました。
今までの下取りの概念といえば、社用車と住宅ぐらいでした。

 

社用車は節税対策に利用されます。

例えば1000万円の車が、3年後に900万円で買い取ってもらえるとします。
この車を法人で買えば、実効税率をかけた350万円が節税できることになります。
3年後に車の価値が100万円目減りしたとしても250万円が手元に残ることになります。
では住宅ではどうでしょうか。
一人暮らし用の住宅を中古で2000万円で買ったとします。
10年後に結婚して、この中古住宅を1800万円で売りました。

 

その間にローンを1000万円返し、残債は1300万円でした。
手元には500万円残っていたので、新しい住居購入の頭金にできました。
このような概念が、服やバッグなどに応用できたら、いかがでしょうか。

 

ヴィトンのバックを10万円で買って、7万で売ることができるとすれば、その間、3万円で利用できたということになります。
コーチの財布を中古で5000円で買って、5000円で売ることができれば、その間、タダで利用できたということになります。

 

いままで年に数回しか買えなかったバッグが毎月買えるようになりましたし、買ったまま放ったらかしになってた洋服が多くの人に利用されるようになったのです。

 

確かにアマゾンやヤフオクでもそういった利用の仕方はありましたが、メルカリほど多くのフツーの人々に浸透したサービスは今までに無かったと思います。

 

 

まとめ

 

他にも数多くの「あり方」を変えたサービスがありますが、今回は7つに絞りご紹介しました。
それらのサービスの共通点は「信念が伝わってくる」サービスであるということです。

 

作っている側だけが楽しいサービスは、いくら集客をがんばってもユーザが定着しません。
ユーザー増やしたくて必死な感じだけがユーザに伝わります。

 

 

もしアナタが一生懸命サービスを作っていながらもうまくいかないのなら、インサイドが無いのかもしれません。
「本当に世間に何か信じてもらいたい事があるなら」こんなサービスにはならないはずです。

 

 

「7つの習慣」のインサイドアウトの発想から、自社サービスの「あり方」について考えるきっかけになれば幸いです。

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