「インターネットのビジネスは、広告モデルと課金モデルとECモデルの3つです」といわれています。
一方で、「フリーミアム」や「シェアエコノミー」、「プラットフォーム」といったビジネスモデルのトレンドワードがあったり、「VAIOモデル」とか「レイザーブレードモデル」といった古典的なビジネスモデルもあります。
すべて、視点が違う考え方なので、喋る人によって「ビジネスモデル」の定義が違っていたりします。
そこで、他種多様の「ビジネスモデル」の考え方を一度おさらいし、「売上や集客の改善」の観点からのサービス改善のヒントについてご紹介したいと思います。
これであなたも明日からビジネスモデルマニアになれます。
サマリー
具体的にどうやってビジネスモデルを改善すればいいのか?
ビジネスモデルの改善というと、
1.ターゲットの再設定
2.集客設計の改善
3.価格や販売方式の見直し
4.サービスそのものの改善
などが考えられます。
これを漠然と議論しても、噛み合わないので、現在の商習慣でうまくいっている手法をパターン化することで、自分のビジネスを因数分解しつつも再設計する必要があります。
その時に便利な検証方法であり共通言語となるのがビジネスモデルです。
ビジネスモデルとは商慣習をパターン化したものである
まず、ビジネスモデルとは、
1.どんなターゲットに
2.どんな価値を提供して
3.どのように売るのか?
という基本パターンの組み合わせの事を言います。
これだとまだ漠然としているので、色々な観点からサービスを構成する要素を検証する必要があります。
サービスの成立条件とは?
全てのサービスは次のような説明ができます。
「どんな人のどんな課題をどうやって解決するのか?」
これが同じ言い方になるサービスが競合サービスとなり、どこを差別化要素にするのかのポジショニングを考えていく必要があります。
したがって、
1.ターゲットを変える
2.解決する課題を変える
3.解決方法を変える
ということで、サービスそのものを改善していくことができます。
マーケティングとは「市場最適化」のことをいいますが、
まさに市場のニーズの変化に応じて、私たちのサービスを変えなくてはいけないという考え方です。
サービスをどうやって届けるのか?
どんなサービスであれ、認知してもらわないことには、はじまりません。
これをうまくやるために、「集客導線の改善」があります。
集客導線の構成要素とは?
飲食店などの場合、「お店を見つけて、入って、消費して、お金を払う」ということがすぐに行なわれるために、あまり購買プロセスを気にしない傾向がありますが、彼らの場合は「立地」がビジネスモデルで重要なポイントをしめていて、あとはそんなに改善ポイントがないという言い方もできます。
しかしながら、実は他の商材の場合は、認知から決済までにタイムラグがあるので、次のような集客導線を考える必要があるのです。
1.認知経路の確立
2.リスト収集とそのフォロー
3.フロント(集客商品)の体験
4.バックエンド(本命商品)の販売
大手メーカーの場合、テレビCMで認知拡大をして、主要な店舗チェーンに商品を卸すために、「リスト収集」は必要としないかもしれません。ですが、多くのビジネスモデルの場合「リスト収集とそのフォロー」が非常に重要となってきます。
なぜなら、多くのサービスはCM投下もできず、店舗チェーンの棚にも並ばず、サービスの存在自体が忘れられるからです。
ですので、きちんと連絡先をとり、たえずダイレクトマーケティングをする必要があります。
その時に「試供品」を配ったり、集客目的の商品を販売して、本命商品につなげるというやり方をします。
インターネットの場合ですと、
1.検索エンジン対策(ブログ集客)
2.無料オファー
3.メールマーケティング
4.セミナーやカウンセリング
5.本命商品の販売
というような集客導線が考えられます。
事業においてマーケティングコストを下げれば下げるほど市場競争で優位性を発揮します。
例えば、すでにリストを持っている事業パートナーと独占契約を結ぶなどが考えられます。
このように、まさに集客導線を改善することもビジネスモデルの確立のための重要要素です。
どうやって価格や回収方法を決めるのか?
サービスの価格や課金方法もまた多彩なバリエーションがあります。
1.単発商品の都度決済
サービスや商品ごとに値付けをつけて、その消費とともに決済というのが一般的ですが、「百円均一」のような統一価格で提供することも、購入心理のハードルを下げることがあります。
かつてAppleは音楽CDのアルバムをバラバラにして1曲1ドルという均一料金で販売をして音楽業界を震撼させました。
2.月額モデル
これはサブスクリプションモデルとも呼ばれており、これもまた購入心理のハードルを下げています。
使い放題で定額だけど、使わなくても一律にとるというやり方で、購入者によっては不公平感のあるモデルですが、事業者にとっては安定収益をもたらします。
3.成果報酬型モデル
利用時はタダだけど、成果が会ったときに支払うというモデルです。
携帯ショップでのアプリ登録斡旋のアフィリエイトもこのモデルです。
4.パスポートモデル
ランチパスポートなど、他の事業者とセットになることで顧客にバリューを提供し、最低収益基盤と認知拡大を狙ったモデルです。
5.別のところから回収
・広告主からの収益
・メーカーからの販売奨励金
・利用ロイヤリティの回収
というように、実際のユーザの提供価値を格安あるいは無料にしてしまうやり方もあります。
人材紹介では成果報酬型が多く取り入れられているため、転職カウンセリングは無料だというカラクリは3と4のモデルです。
この項目にあるように、「一見するとどこで儲けてるの?」というビジネスモデルのパターンを、「ビジネスモデル」と呼んでいる方も多くいます。
古典的なビジネスモデルの7パターン
1.レイザーブレード型
重要派生品に高い利益率をかけるやり方です。
ジレットのカミソリになぞられてこう言われています。
プリンタ、ゲームコンソールなどもそれにあたります。
ソニーはバイオでは様々な付属品を売らせるアクセサリービジネスをやり、メディアの標準規格である、フロッピーディスク、CD、テープは、他のメーカーの商品にも活用されることで儲けました。
枝葉が生い茂ることによる利益の極大性とうらはらに、幹のコスト割れや標準化のリスクもあります。
2.メンテナンス型
高価な品物を割賦販売することで継続的コンタクトをとる方法です。
コピー機やケータイ、ソフトウェアなどがあげられます。
ユーザの負担が軽いというメリットの裏を返せば、供給者負担のデメリットになります。
3.前払い型
パスモ、スイカ、i-tuneカード、コンテンツ配信などです。
キャッシュインがメリットですが、低価格低利益なので、マスを相手にしないと儲かりづらく、管理コストがつくところが問題となります。
4.民営放送型
収入源と効用の受け手が違うという、いわゆる広告モデルです。
テレビ、インターネットでお馴染みの手法でもあります。
実は結局は消費者に負担させているが、彼らから見ればタダにみえるところがポイントになります。
問題点はマスでなければ意味がないところでもあります。
5.モジュール型
本来、個別カスタマイズを前提とする受託型ビジネスを、モジュール提供として汎用化して売るモデルです。
インテルのようなチップ、アームのような基盤設計のロイヤリティ、アンドロイドOSなどもモジュール型と言えます。
6.プラットフォーム型
例えば、iPhoneのアップストアは、CtoCのアプリマーケットといえます。
誰かがアプリを提供し、誰かがアプリを買うという場をAppleが提供しています。
このようなマーケットプレイスを提供することをプラットフォーム型といいます。
もっともAppleの場合は、アプリが増えれば製品の価値もあがる。
ゆえに販売台数があがり、プラットフォームとしての価値もあがるというポジティブスパイラルを生んでいます。
以上が、主だった古典的ビジネスモデルのパターンです。
基本的には1回のチャンスで2度以上楽しんでいるのがビジネスモデルの古典的手法といえます。
こちらも「集客」という観点からいえば、リストありきのマーケティングをしていることになります。
このように見ていくと、テレビ局も立派なリストホルダーです。
LINEフォンのように、通信端末をばら撒いてというビジネスモデルはどんどん加速していくでしょう。
プラットフォーム戦略とは?
最終製品やサービスを提供するのではなく、他社がそれを利用して製品構造やサービス提供を行えるような「土台」を構築して、より高い「価値」を顧客に提供しようとするものをいいます。
資格付与ビジネスや、協会ビジネスも、プラットフォームビジネスの一分野と見ることができます。
プラットフォームが成立するには
1)買う人が集まる
2)売り場がある
3)成功者がいる
という前提条件を満たす必要があります。
エコシステムとは?
「ビジネスモデル」と似て非なる言葉に「エコシステム」があります。
ある業界が、業界全体で収益を高めるために構築された構造のことをいいます。
企業一社による収益構造をビジネスモデルというのに対し、エコシステムは業界内の複数の企業とともに実現することをいいます。
エコシステムの住民にとって大事なこと
1)関係のある人が集まる
2)「お金or賞賛」が集まる
3)売上があがる/コストがさがる
という状態になるとエコシステムが機能しているといえるでしょう。
どうやってサービスを成長させるか?
事業の成長戦略(スケールモデル)はビジネスモデルを築きながら、下記の方程式にあてはめることができます。
1.「どこの市場」の「どの部分」における、
2.「どんな勝機」を狙って、
3.「どんなきっかけ」を切り口に、
4.「どんな資産」を築きあげ、
5.最終的に「どんなビジョン」を実現します。
インターネットの3つのビジネスモデル
1.広告ビジネス
2.課金ビジネス
3.ECビジネス
IT領域のビジネスモデルのトレンドワード
フリーミアム
無料アプリや、無料会員など、基本料金を無料にして、ユーザに圧倒的価値を提供しながら、マーケティングコストを削減して、オプションで課金や手数料を頂戴するモデルです。
無料アプリや無料会員を集めることでリストマーケティングが出来ているともいえます。
シェアエコノミー
ユーザの保有資産(遊休資産)をうまく活用することで、ユーザのベネフィットを集めるCtoCのマーケットプレイスです。
新品を買わなくても中古品を買えるようなメルカリや、車の貸し借りのカーシェアリングなどがあげられます。
クラウドワークスは、労働力のシェアリングエコノミーともいえます。
一方で、空き部屋の貸し借りのエアービーアンドビーは、ホテル業界の収益を圧迫しかねないために、旅館業法とのせめぎあいがあったり、車移動のシェアサービスのウーバーもタクシー業界から反発をうけたりと、旧産業との軋轢をうんでいます。
アマチュアパワー、クラウドパワー
写真や音楽など、本来プロと呼ばれる人が担っていた領域に、アマチュアが参入できるようなプラットフォームモデルです。
上記のような作品や技術もあれば、ソーシャルレンディングやクラウドファイナンスのような、金融面も融通も業者ではなく普通の人同士で行える世界も注目されています。
いま注目の協会ビジネスはどんなビジネスモデル?
「会員に何の価値を提供するか?」がポイントとなりますが、啓蒙活動をして集客基盤を揃えビジネス機会を与えるのであれば、プラットフォームモデルに該当します。
その昔、宗教ビジネスは免罪符ビジネスというビジネスモデルがありましたが、それは「あの世のご利益の保証」という価値に対して支払われました。そのようなものであると、コンテンツ課金ビジネスになります。
販売戦略としては、資格講座販売という単発商材と月額課金が考えられ、また顧客と認定講師をマッチングするサービスであれば、ECモデルの手数料ビジネスとなります。
リストマーケティングに関しては、協会が一手に吸い上げ再分配するモデルと、認定講師に自助努力を求めるモデルがあります。
このように、一口に「〇〇」というビジネスモデルがあったとしても、きちんと構成要素を整理して、自分たちのビジネスにあった「ビジネスモデル」に改善していく必要があるのです。
ビジネスモデルの改善セミナー
世の中には面白いビジネスモデルがたくさんあります。
1)クックパッドや食べログは、モバイル月額課金会員で儲けている
(ゆえに、店舗アフィリエイトという集客源がある)
2)通信キャリアの2年縛り
(最初のハードルを落としながら、12分の1の解約手数料も収益源に)
3)会員ビジネスと言う名の眠り会員
(会員制ジムなど)
4)実は〇〇で儲けている
(施術ではなく、先生養成講座や高額マッサージオイルで儲ける)
など、身の回りにある「目のつけどころがシャープ」な事例を皆さんで紹介しながら、
お互いのビジネスモデルにヒネリをつけようというのが今回の勉強会のテーマです。
ビジネスモデルを変えれば、集客のやり方もかわります。
ですので、あわせて集客導線についてもきちんと語り合いましょう。
【初回無料】平日夜の粋な勉強会 #2(オンラインセミナー)「あなたのビジネスモデルにヒネリを入れよう♪」
期間限定のビジネスモデル資料プレゼント
2014年8月から計11期200名が参加した「新しいサービスでビジネスを作りたい人」が参加した「IT道場」で語られていた「新規事業のレシピ」をこっそりプレゼントいたします。
150ページ以上のPDFになりますので、プリントアウトするときはご注意ください。
とくにカラーでプリントすると、上司に怒られます。
【取り扱ったテーマ】
・サービスコンセプト
・ユーザ体験の設計
・サービスのスケール戦略
・ビジネスモデルの設計
・ライフタイムバリューの設計
・イノベーションの魅せつけどころ
・エコシステムとプラットフォーム
・投資家思考の事業計画フレームワーク
・ユーザー投稿型メディアの勝ちパターン
・プロとアマの中間市場
・CtoCビジネスのカラクリ
・基本サイクル設計
・母集団設計
・スマホアプリのビジネス概論
・身近な社会問題・業界問題
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