第3回のいきべんにて、アクセルマーク尾下さんが
「クルーズの経営チームは一枚岩だ」と言った。
そのことを古瀬さんに言ったら「そんなの当たり前じゃないの」と答え、
同席した役員の対馬氏は「よく殴り合いの喧嘩はしているよね」と答えた。
「お互い包み隠さず本音でつきあう」というのは徹底されているそうだ。
また、常に方向性について話しているので、「会社を大きく舵をきるときは、全員が素早い」と。
かつての幾度もあるピンチを乗り越えたのは、捨てる事業は捨て、全員で集中すべき事業を向いて、思いっきり仕事をする。
あとから思えば、ちゃんと超せるべくして越せた山だったとなる。
全ての仕事を通じて、もっとも重要視しているのは「徹底することだ」という。
スキルがあるのに徹底していない奴はすぐに成敗する。
経験がなくても徹底していればスキルはあがっている。
ラグナブレイクが後発でもヒットしたのは、カードのデザインを徹底してやりなおしたこと。
事前の調査も徹底してやり、開発するなかで状況が変わってきたと思ったり、
目が肥えてきたりすると、駄目だしをする。
「これが出来ないのが駄目な事業を作っているところの特徴ではないか」という。
そして、もっとも「徹底」しなくちゃいけないのが「No2の仕事」であると自分に言い聞かせている。
社長のビジョンを徹底して聞いて、質問して、それを役員や全体に落とす。
「あとから言い訳」はなしだ。「だから言ったでしょ」というNo2がいたら「そいつはオカマ野郎」だというわけである。
古瀬さんは「まずマネタイズから入るタイプ」だという。
例えば、クニオくんの公式サイトは、「キャラっぱ!」が流行りだして思いついたものであり、
「クニオくんのファンのためにまず何ができる」かという発想ではない。
パチスロアプリは、「四六時中パチスロをやっている友人を見ていて、ヤマサに営業にいったらとれた」と、あっさりしている。
お金の手堅さを考えているので、誰かが当たっているのを見てからやる。
一か八かの大当たりは狙わず、中当たりを数回だす方を選ぶようなのが、古瀬さんの考えるNo2のあり方だ。
こうして、クルーズでは小渕社長がビジョンを打ち出し、古瀬さんがそれを現実に落とし込むというシステムができあがっている。
とはいえ「社長も人間だ」という。「社長が現場に入りたいならやってもらう、そういうさじ加減もNo2の仕事だ」と。
「No2は社長の最後の味方。足を引っ張り合うような役員がいたら、それをおろすは俺がやる」ともいう。
こんな自負があるからこそ、「俺がいなかったら、クルーズはこんなに成長できなかった」と言いきれる。
といいながらもベースには、小渕さんへの恩が絶大にある。
古瀬さんはクルーズに入る前に、2度会社の倒産を経験している。
自分は一社員ではあるものの「俺がもっと頑張っていればその会社はうまくいってのかも知れない」という自責の念があった。
そんな自分を拾ってくれ、今の自分を作り上げてくれたのが、小渕さんであったというわけだ。
23歳のときに役員になり、その次の年には上場というなかで、
社長から「ステージが変わってくるから成長してほしい」というのを幾度が言われたそうだ。
古瀬さんが「みんなで一緒に成長して成功を勝ち取った方が、普通に儲けるよりも意義のあることだよね」
という裏には社長からの絶対的な信頼感がある。
「すぐに役員を変えちゃうような社長って腹立つね。そういうこと見えちゃったら一生懸命働きたくなくなっちゃうじゃないか」
という言葉が印象的だった。小渕さんの経営チームはお互いの成長を前提とした長いつきあい方をしているように感じた。
今までで、すごいなと思ったNo2は、元シーエーモバイルの小野さんと、元サイバーエージェントの西條さんだという。
「奇しくも二人ともサイバーエージェント。あの会社はすごいけど嫌だね」と言って会場を笑わせた。
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